土曜に間違えて執筆途中に作っていた予備のファイルを上げてしまったので、完成版を再度アップします。




「キャロ、僕から離れないようにね」
そう言って、エリオはキャロの手を握る。
平日のクラナガンのショッピング街は人出が少なく、ましてやエリオやキャロのようなカップルはほとんど見掛けない。
多くは子育てから手が離れた年代のご婦人方だった。
「まずは、デパートに行こう」
「うん」
「その後、2番街のアーケーディアでランチしよう」
「お休みの日だと、人が一杯だもんね」
キャロの言葉に、エリオは「そうだね」とにっこり微笑む。
「じゃあ、早速行こうか」


2人はエレベーターで上まで上がり、そこから地階へ下りながら服や小物を見て周る。
「これ、エリオくんに似合うんじゃないかな」
そう言ってキャロが手に取るのは、黒に赤のラインが入ったジャケットだった。
それを受け取り、エリオは袖を通す。
「……少し肩周りがキツいかな。1サイズ上ってある?」
「はい、エリオくん」
「……うん、ピッタリだ。じゃあ、中に着るのも探さないと」
「エリオくんにぴったりの、格好良いシャツを探さないとね」


「キャロもたまにはこう言った服も着たらどうかな?」
「えっ、わたしにはまだまだ早いよ」
エリオの持っているスーツを見て、キャロは笑いながらそう言う。
「そんな事ないよ」
エリオはキャロを鏡の前に立たせると、背後から腕をまわしてその服を合わせる。
「ほら、似合うんじゃない」
薄い藤色の服は、キャロの髪の色と合うまって、キャロをぐっと大人の女に魅せる。
「どう?」
「本当だ、意外と似合ってるね」
「ほらね。今度、キャロはそれを、僕はこれを着てどこか行こうね」


「ちょっとトイレ行ってくるから待ってて」
そう言うと、エリオはキャロに荷物を預けて駆け出す。
角を曲がってキャロから見えなくなると、エリオはトイレでなく、あるお店に駆け込む。
 店員と何言か話し、小さな箱を受け取ると、エリオはそれを胸ポケットに仕舞い、店を後にしてキャロのもとに戻る。
「お待たせ。じゃあ、ランチに行こうか」
そう言うと、エリオはキャロに向けて右手を差し出した。


「エリオとキャロじゃないか」
地球料理を食べれると人気のレストラン、アーケーディアに入るなり、2人は知り合いに遭遇する。
「こんにちは、チンクさん。今日は1人で?」
「あぁ、ウェンディたちはメンテナンスや訓練で、久々に単独で非番なんだ。そう言うお前たちも非番か?」
「はい。有休とか溜め込んでいたら、人事課から強制執行が来たみたいで」
「あぁ、どこぞの熱血教導官殿や生真面目執務官に休みを取らせるために作られた規則だな。『平時において、有休と代休が40日以上溜った場合、強制的に休みを取らせる』って」
チンクの言葉に、全くその通りなのでエリオとキャロは苦笑いを浮かべる。
「せっかくの休みなんだ、有意義に使わないとな。まぁ、2人には要らぬお節介かも知れないがな」
そう言うと、チンクは2人に手を振って外へ出て行く。
「有意義かぁ。そう言えばエリオくん、用事があったんじゃなかったの?」
「うん、現在進行中だよ。だってキャロと出掛けないといけない用件だから」
2009.10.19 Mon l 日記 l COM(0) TB(0) l top ▲

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